【一級建築士 学科】何から始める?社会人の月別ロードマップ

「来年こそ、一級建築士の学科に受かりたい。でも、何から手を付ければいいのか分からない。」

「仕事が忙しいのに、今から始めて7月に間に合うのだろうか、、」

私も同じところで止まっていました。

ara

こんにちは、一級建築士のaraです。

私は働きながら、一級建築士の学科試験に2度合格しました。

足切りで落ちた年もあり、その翌年は11月から勉強を立て直しています。

結論から言うと、最初にやることは「学習手段を決める」「法令集を用意する」「過去問20年分をそろえる」の3つです。

そのうえで法規と構造から始めて、3月から他の科目へ広げていけば、働きながらでも合格ラインを狙える計画が立てられます。

この記事では、私の受験経験をもとに「もう一度一から始めるならこう進める」という12月〜7月の月別ロードマップをまとめました。

この記事でわかること
  • 最初にやることは「学習手段・法令集・過去問20年分」の3つ
  • 令和8年の合格ラインは総得点94点。科目ごとの基準点もある
  • 法規と構造(文章題)から始め、力学は6月からで間に合う
  • 私が働きながら続けた時間は、平日2時間半・土曜4時間・日曜8時間(資格学校の講義を含む)
目次

最初にやることは3つ(学習手段・法令集・過去問)

机に資格学校のパンフレット・法令集・過去問題集を並べ、どれから始めるか確かめる社会人

何から始めるか迷ったら、最初の1か月で次の3つを済ませておくと、その後の勉強が効率的にすすめられます。

・学習手段を決める 

 →独学か資格学校かで、教材と1年の進め方が変わります。

・受験年度版の法令集を用意する 

 →線引きに20〜30時間かかるので、早く手元に置くほど余裕が生まれます。

・過去問20年分をそろえる 

 →この記事の勉強法の土台になります。

①独学か資格学校かを決める

私は学科を受けた4回とも、資格学校を利用しました。合格した2回は、1回目が総合資格、2回目がTACです。

働きながらの勉強で一番難しいのは、1年間の計画を自分だけで守り続けることです。

資格学校は講義の日程と課題が決まっているので、進み具合を管理しやすくなりますが、一方で、費用は大きくかかります。

ara

独学を選ぶ場合は、市販の法令集・過去問題集・アプリを組み合わせて、進み具合の管理も自分で決める必要があります。

▼私が実際に使った教材と選び方は、別記事にまとめていますので参考にしてください。

②受験年度版の法令集を用意して線引きを始める

法令集は法改正に合わせて毎年改訂されるので、受験する年度の版を使います。

線引きは年内に終わらせるのが目標です。理由は、後ほど月別ロードマップで説明します。

③過去問20年分を手元にそろえる

この記事の勉強法は、過去問20年分を何周も解くことを土台としています。

最初にまとめてそろえておくと、科目ごとに迷わず解き進められます。

ara

私は、過去問アプリの「合格ロケット」で20年分をそろえました。

【合格ライン】令和8年は総得点94点、科目ごとの基準点もある

5科目と総得点の棒グラフに引かれた基準点の赤線を、赤ペンで指して確かめる受験生の手元

勉強を始める前に、合格ラインを知っておきましょう。

学科試験は、総得点と5科目すべてで基準点以上を取らないと、合格になりません。

科目満点令和8年の基準点
計画20点11点
環境・設備20点11点
法規30点16点
構造30点16点
施工25点13点
総得点125点94点
出典:国土交通省「令和8年一級建築士試験『学科の試験』合格者を決定」(2026年9月2日発表)

令和8年の合格率は26.2%(実受験者29,094人のうち合格者7,619人)でした。

総得点の基準点はおおむね90点程度が基本で、令和8年は問題が全体的に易しかったため94点に引き上げられています。

注意したいのは、総得点が足りていても、1科目でも基準点を下回ると不合格になることです。

ara

私は、環境・設備の足切りで落ちた年があります。
模試では一度も足切りになったことがない科目でした。

得意科目で点を稼ぐより、苦手科目を作らないことが合格への近道です。

▼点数別の合否の目安は、別記事にまとめていますので参考にしてください。

過去問は20年分を解き、間違えた問題を2周目・3周目で絞る

過去問と間違えた問題を整理して繰り返し学習する受験者の机

私がまた一から勉強を始めるとしたら、過去問をひたすら解いていくアウトプット中心の学習方法にします。

その理由を3つご説明します。

理由① 全体像が理解できて、苦手な箇所が明確になる

過去問をひたすら解くのは、最初は苦痛かと思います。

ですが、解いていくうちにだんだんと理解ができるようになり、全体を解き終えたときに理解しやすい箇所と苦手な箇所が明確になります。

範囲が膨大な学科試験で、自分がどの程度の位置にいるかを把握できます。

模試でも合格ラインの予想はできますが、問題の傾向は模試の作成者次第でもあります。

ara

私は過去問の全体把握のほうが自分の合格ラインの指標となると思います。

理由② インプットよりもアウトプットで力がつく

動画を見ているだけ、本を読んでいるだけで勉強した気になってしまうことはよくあると思います。

ただし、問題を解く力をつけるには、実際にたくさん解いてアウトプットすることが一番の近道です。

理解できないままでは意味がありません。間違えた問題は必ず根拠を明確にし、分からない問題をそのままにせず進めることが肝心です。

理由③ 過去問が解ければ、新規問題にも対応できるケースが多い

新規問題は受験者の誰もが苦手で、正解率が大きく下がる傾向があります。

そんな新規問題でも、過去問をしっかり押さえていれば、意外と対応できるケースが多いです。

たとえば選択肢1〜4のうち、1〜3が新しい内容。でも4が正答肢だと分かる。

→ほかの選択肢を気にせず正解できます。

新しく出てきた建築作品名でも、過去問に出た建築の特徴を覚えていれば、その違和感から正答肢かどうかを一目で判断できます。

【月別ロードマップ】12月〜7月の科目の進め方

一級建築士 学科試験の科目別ロードマップ(12月から7月までの周回スケジュール表)

一覧でわかるように、ロードマップを作成しました。

各科目の過去問20年分を何周するかという意味合いで記載しています。

月ごとにやることを、試験の日程と合わせて表にすると次のとおりです。

時期やること
〜12月法令集の線引きを終える(遅くとも1月中)
1〜2月法規と構造(文章題)の過去問20年分を1周する
3〜5月計画・環境設備・施工も並行して進める
4月受験申込(令和8年は4月1日〜14日の2週間)
6月〜構造の力学に取り組む。全科目で2周目・3周目
試験前1週間苦手な問題と暗記科目を復習し、体調を優先する
7月下旬学科試験(令和8年は7月26日)

4月の受験申込の期間は約2週間しかありません。仕事が忙しい時期と重なっても申し込めるよう、早めに予定に入れておきましょう。

法令集の線引きは年内に終わらせる

法令集は、試験に唯一持ち込みができる受験者の強力な武器です。

その法令集を効率的に使うために、線引きは欠かせません。線引きをしたことがある方ならわかると思いますが、とても手間がかかります。

線引きをしながら内容を覚えられるならまだ良いですが、正直そんな余裕はありません。

一般的な赤・青鉛筆だけの線引きでも、20〜30時間は平気でかかります。

線引きは法規の最初のハードルです。時間がかかるので少しずつ進めればいいと思う方、私も初めて受験したときは同じことを思っていました。

正直、出遅れます。

法規は全科目の中でも習得に一番時間がかかるので、その出遅れは後々かなり大きく響きます。

ですので、法令集の線引きは気合を入れて、年内に終わらせましょう。遅くとも1月中には、です。

リスクもありますが、フリマでは線引き済みの法令集も販売されています。

ara

高くはなりますが、時間を買うと考えて購入を検討するのもよいと思います。

線引き済みの法令集を買うときは、受験する年度の版であることと、試験に持ち込める条件を満たしていることを購入前に確認してください。持ち込みの条件は、試験の案内に書かれています。

1〜2月は法規と構造(文章題)を20年分1周する

序盤は、もっとも時間のかかる法規と、特に難易度が高い構造(文章題)に時間をあてるのがおすすめです。

ほかの科目と並行すると、勉強の間隔が空いて忘れたり、集中して取り組んだりすることが難しくなります。

最重要科目であるこの2科目は、最初に全体像をつかんでおく必要があります。

3月からは計画・環境設備・施工も並行して、横断的に勉強する

いよいよ3月からは、計画・環境設備・施工にも着手していきましょう。

どの科目も範囲は広いですが、序盤に法規を勉強していたことで、ほかの科目とのつながりや関係性が徐々にみえてきます。

たとえば、計画のバリアフリー法、環境設備の換気量計算、施工の工事の届出関係などです。個別の科目として勉強するよりも、ずっと効率的に学習できるようになります。

ara

私は法規がすべての科目とつながっていると思ったとき、一気に視界がひらけたような実感がありました。

構造の力学は6月から勉強する

構造の力学問題は、終盤に取り組んだほうがいいと私は思います。

理由は、公式を覚えなければ解けない問題が多く、序盤に勉強しても結局忘れてしまうためです。

ara

私は早い時期に力学を始めて、試験までに公式を忘れてしまった経験があります。

範囲もそこまで広くないので、6月からの学習で十分に間に合うと思います。

力学問題に苦手意識をもつ方もいますが、繰り返し解けばわかるようになってくるので、比較的得点源になる項目です。

10〜11月に始める人、4月以降に始める人の調整

このロードマップは12月スタートを前提にしています。

10〜11月に始められる方は、余裕のある分を法令集の線引きにあててください。年内に線引きを終えて、1月から法規の過去問に集中できます。

ara

私は足切りで落ちた翌年、11月から勉強を再開して合格しました。

一方、4月以降に始める場合は、1年分の計画をすべてこなす時間はないかもしれません。

法規と構造(文章題)の過去問を先に1周し、計画・環境設備・施工も基準点を割らないよう、よく出る分野から1周してください。

社会人の勉強時間の目安と確保の仕方

朝の通勤電車で、スマホの過去問アプリを解く会社員

私の場合、平日は2時間半、土曜は4時間、日曜は資格学校の講義を含めて8時間ほど勉強していました。

1週間に直すと、約24.5時間です。

私は繁忙期には、月100時間ほど残業をしながらこの時間を確保していました。

平日の2時間半は、朝の15分・通勤電車の往復1時間・昼休みの30分・帰宅後の30分・寝る前の15分を積み重ねたものです。

机に向かうのは帰宅後の30分だけで、残りは過去問アプリなどのスキマ時間です。

休日は、法令集の線引きや力学のように、まとまった時間が必要な作業にあてると進めやすくなります。

▼平日1日のスケジュールは、別記事で詳しくまとめていますので参考にしてください。

覚えづらい用語や公式はノートにまとめる

覚えづらい用語や公式をノートに整理する受験者の手元

毎回忘れてしまう項目、間違えてしまう項目は人それぞれあります。

自分なりにわかりやすく、コンパクトにノートにまとめておくことは、頭の中を整理する意味でも大切です。

試験直前に「何を復習しよう」と迷わないよう、苦手項目を洗いざらい出しておきましょう。

ara

シートで見えなくなるマーカーペンなどで穴埋め形式にすると、簡易的な問題集にもなるのでおすすめです。

【直前1週間】体調を最優先にし、苦手と暗記を復習する

試験直前期に体調を整えながら苦手分野を確認する受験者

試験直前期には、緊張がMAX状態になりつつあります。

試験は1年に一度しかチャンスがなく、今までに膨大な勉強時間を費やしてきたのですから当然です。自分が頑張ってきた証拠です。

この時期は、新しい問題や模試を解くことよりも、今まで解いてきた苦手な項目・問題や、暗記科目を中心に復習してください。

そして何より、体調を崩さないようにしてください。仕事やプライベートも含めて、さまざまなストレスがかかっていると思います。

決して追い込みすぎず、試験当日を万全な状態で迎えることが、直前期にもっとも大切なことです。

ara

私自身、試験前におそらくストレスで入院し、病床で一生懸命勉強した経験があります。

▼直前期のやることとNG行動は、別記事にまとめていますので参考にしてください。

よくある質問

1〜3月に始めても間に合いますか?

年内に線引きを終えた人より、法規の出遅れが大きくなります。

線引き済みの法令集で時間を買い、法規と構造(文章題)の1周目を最優先にしてください。

独学でも合格できますか?

独学で合格している方もいます。私は4回とも資格学校を利用しました。

独学を選ぶ場合は、教材の組み合わせと進み具合の管理を自分で決める必要があります。

力学を6月まで後回しにして大丈夫ですか?

私は大丈夫だと考えています。力学は範囲が広くないため、6月からでも繰り返し解けば得点源にできます。

早く始めると公式を忘れやすいのは、私自身が経験したことです。

まとめ

朝の光の中で試験に向けて整えた教材と持ち物

学科試験の合格のためにやるべきことは、次のとおりです。

  • 最初に学習手段・受験年度版の法令集・過去問20年分をそろえる
  • 過去20年分を解いて、間違えた問題を2周目・3周目と絞っていく
  • 最初に法規と構造に徹底的に取り組み、3月からは各科目を横断的に勉強する
  • 苦手な項目や暗記科目はノートにすべてまとめる
  • 試験直前の1週間は無理をせず、試験当日に万全な体調で迎えられるように調整する

今年の結果が思うようにいかなかった方も、ここから立て直すことはできます。

▼不合格と分かった日からの立て直し方は、別記事にまとめていますので参考にしてください。

まずは今週、学習手段を決めて、過去問を手元にそろえるところから始めてみてください。

法令集は、受験する年度の版が発売されたらすぐに用意しましょう。

ara

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

一級建築士/一級施工管理技士。ゼネコン現場監督として8年従事後、激務に限界を感じて転職。一級建築士は学科2度合格・製図5回挑戦の末、受験7年目で合格。「資格を武器に労働環境を変えた」自身の体験から、建築・建設業界で働く方の「資格取得」と「後悔しない転職」を発信中。

コメント

コメントする

目次