【一級建築士 製図】初受験は何から始める?5回受験した筆者が教える学科後〜本試験の週別ロードマップ

製図試験に向けて用紙をセットした製図板と製図道具

一級建築士の学科試験、本当にお疲れさまでした。ここからは製図試験です。

そして今、こう思っていませんか。「製図って、何から始めればいいんだろう」と。

ara

こんにちは、一級建築士のaraです。

私は製図試験を5回受験して合格しました。裏を返せば、初受験のときに大きく遠回りをしています。

だからこそ、これから初受験を迎えるあなたに伝えられることがあります。

この記事でわかること

・製図の初受験が、今日から始めるべき3つのこと
・学科試験後から本試験までの週別ロードマップ
・独学か学校かを決める判断のしかた
・5回受験した私がやってしまった、いちばんの遠回り

結論から言います。製図は「センス」ではなく、「手順の確立」の試験です。

正しい順番で進めれば、初受験でも十分に間に合います。

目次

【結論】製図の初受験は、この3つからはじめる

製図板で平面図を作図している手元

最初にやることは、3つです。

  • 製図道具をそろえる
  • 独学か、学校に通うかを決める
  • 標準解答例をトレース(写し描き)してみる

私自身、合格した年は学科試験が終わってすぐに道具を買い、製図クラスに申し込みました。

合格発表を待ってから動くと、それだけで1か月以上を失います。

令和8年の製図試験は10月11日(日)。学科試験の翌日から数えて、残りは11週間しかありません。合格発表を待たずに動き出してください。

▼自己採点の結果が合格圏かどうか迷っている方は、まずこちらで確認してみてください。

①製図道具をそろえる

製図は道具で描く速さが変わります。特に三角定規とシャープペンシルは、早めに手になじませておきたいです。

▼何を買えばいいか迷ったら、私が5回の受験で実際に使ってきた道具をまとめた記事を参考にしてください。

▼製図板(平行定規)は価格も大きさもさまざまで、最初に迷いやすい道具です。

②独学か、学校に通うかを決める

これは製図で最初に迫られる、いちばん大きな決断だと思います。

結論をお伝えすると、製図が初受験の方には学校をおすすめします。

私自身も初受験のときから学校に通いました。製図は、自分の図面のどこが悪いのかを自分で判断するのが非常に難しい試験だからです。

判断に迷ったら、次の3点で決めてください。

  • 自分の図面を添削してくれる人がいるか(環境があるか)
  • 本試験と同じ時間で練習する機会を確保できるか
  • 2か月半、1人で走り続けられるか

この3つに自信を持って答えられないなら、学校を検討する価値があります。

▼私は5年で3つの学校に通いました。それぞれの違いと、どんな人に向いているかは別記事にまとめています。

③標準解答例をトレースしてみる

試験元が公表している標準解答例を、そのまま写して描いてみてください。

いきなり自分で考える必要はありません。まずは「合格する図面とはこういうものか」を手で知るのが目的です。

ara

解答をみるだけでなく、描くことでわかる気づきもあります。

そもそも製図試験とは?6時間30分の全体像

令和8年の製図試験は10月11日(日)です。製図試験は例年10月の第2日曜日に行われます。

試験時間は6時間30分となり、この時間の中で大きく3つの作業をこなします。

製図試験の3つの作業

エスキス…条件を読み取り、建物の間取りを決める
記述…計画の要点を文章で答える
作図…決めた計画を図面として描き上げる

初受験の方が驚くのは、図面を描く時間そのものは半分もないという点です。

勝負を分けるのは、その前のエスキスです。

▼エスキスのポイントについては、下記の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

センスは必要ない

「スケッチが下手だから製図は不利では」と心配する方がいますが、必要ありません。

製図試験で見られているのは、図面のうまさではなく条件を満たしているかどうかです。

ara

製図は決められた手順を繰り返して身につける試験です。センスではなく訓練で身につけることが可能です。

ランクⅣ(一発アウト)だけは避ける

採点はランクⅠからランクⅣまでの4段階で行われ、合格はランクⅠのみです。

そして、どれだけきれいな図面を描いても条件を大きく外すとその時点で不合格が決まってしまう項目があります。

初受験の方は特に、この「落ちる条件」を先に知っておいてください。

本試験までの11週間ロードマップ【令和8年版】

ここからが、この記事の本題となります。

令和8年の製図試験は10月11日(日)。学科試験の翌日から数えると、残りは11週間しかありません。

この11週間を週ごとに整理しました。

期間やることこの時期の目標
第1〜2週7/27〜8/7道具をそろえる/学校を決める/課題文を読み解く/標準解答例をトレース図面を1枚、最後まで描き切る
第3週
お盆
8/8〜8/16まとまった時間で作図を集中練習作図スピードの土台をつくる
第4〜5週8/17〜8/30エスキスの手法を固める(同じ課題を2〜3回)自分のエスキス手順を決める
第6〜8週8/31〜9/186時間30分の通し演習を開始/記述を毎日少しずつ時間内に図面を完成させる
第9週
5連休
9/19〜9/23弱点の集中対策自分のミスを洗い出す
第10〜11週9/24〜10/10通し演習を繰り返す/ミスつぶし同じミスを繰り返さない。総仕上げ

試験日程は必ず試験元の公式発表でご確認ください。

山場はお盆と、9月の5連休の2回

働きながら受験する方にとって、まとまった時間が取れるのはこの2回だけです。

この2回の休みをどう使うかで、差がつきます。

2回の山場の使い方

お盆(8/8〜8/16)…作図の練習にあてて、描く速さの土台をつくる
5連休(9/19〜9/23)…苦手なパターンを集中してつぶす

第1〜2週(7/27〜8/7)|まず1枚描き切る

この時期の目標は、うまく描くことではありません。最後まで描き切ることです。

最初は1枚に何時間もかかります。それで問題ありません。

ara

私も初めてのトレースでは8時間かかりました。

あわせて、発表された今年の課題文にも早めに目を通しておいてください。

お盆(8/8〜8/16)|作図の速さは、ここでつくる

作図に時間を取られていると、いちばん大事なエスキスに時間を回せません。

だからこそ、まとまった時間が取れるお盆に作図を集中して練習してください。

私は最終的に作図2時間まで縮めましたが、初受験の年は2.5時間を目標にすれば十分です。

作図手順を固定し、練習をしていけば速さは後からついてきます。

ara

初年度生は2.5h、過年度生は2hでの作図を目標としてください。

第4〜5週(8/17〜8/30)|エスキスの手法を固める

ここが合否を分ける期間です。新しい課題を次々に解くのではなく、同じ課題を2〜3回と解き方を変えて解いてください。

理由は記事の後半でお話しします。私が初受験でいちばん間違えた部分です。

▼エスキスの重要ポイントは、下記の記事に書いているので参考にしてください。

第6〜8週(8/31〜9/18)|6時間30分の通し演習に入る

9月に入ったら、本試験と同じ6時間30分で通しの練習を始めます。

最初は時間内に終わらなくて当然です。まずは1枚、時間を計って完成させることを目指してください。

あわせて、後回しにしがちな記述(計画の要点)も毎日少しずつ進めておきます。

ara

何に時間がかかるか、細分化をして時間をはかることで、苦手箇所が見えてきます。

第9週 5連休(9/19〜9/23)|弱点をつぶす

9月の連休は、苦手なパターンをつぶす時間にあててください。

ここまで通し演習を重ねていれば、自分がどこでつまずくかは見えているはずです。

新しい課題を増やすより、うまくいかなかった課題を解き直すほうが効果があります。

第10〜11週(9/24〜10/10)|ミスを繰り返さない

直前期は、新しいことに手を出さないことです。

自分がやりがちなミスを一覧にしておくと、本番の見直しがぐっと楽になります。

▼私が実践していた、ミス対策の記事も参考にしてください。

【実体験】初受験のいちばんの遠回りは「課題をこなすこと」

同じ課題を解き方を変えて3回検討したエスキス用紙

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

私は初受験のころ、自分のミスや課題の反省をあまり振り返らないまま、次の新しい問題へ進んでいました。

解いた課題の枚数は増えていき、勉強した気にもなります。

ですが、これでは一つひとつの課題からエスキスの力を身につけることができていませんでした。

ara

枚数をこなすことが、そのまま力になると思い込んでいました。

初受験の自分に一言だけ言えるなら

こう伝えます。『課題を一つひとつ、2〜3回と解き方を変えて解いてほしい』と。

同じ課題でも、スパンの割り方や動線の取り方を変えれば、まったく別の答えが出てきます。

その比較を通してはじめて、「なぜこの計画のほうが良いのか」という判断軸と、条件への対応力が身につきます。

遠回りに見えて、これが結果的に近道でした。

  1. 解いた課題を見直さないまま次へ進む
  2. 枚数を増やすことが目的になっている
  3. 同じミスを何度も繰り返している自覚がない

心当たりがあれば、今日から解き方を変えてみてください。

よくある質問

製図は独学でも合格できますか?

不可能ではありませんが、初受験の方には厳しいと感じます。自分の図面の良し悪しを自分で判断するのが難しいためです。

学科の合格発表を待ってから始めても間に合いますか?

おすすめしません。製図までの期間は限られています。自己採点で合格圏にあるなら、すぐに始めてください。

まず何を買えばいいですか?

製図板(平行定規)と三角定規、シャープペンシルから揃えてください。詳しくは製図道具の記事にまとめています。

まとめ:正しい順番通り進めれば、初受験でも間に合います

製図の初受験でやるべきことを、あらためて整理します。

  • 合格発表を待たず、道具をそろえて始める
  • 独学か学校かを早めに決める
  • まずは標準解答例をトレースして1枚描き切る
  • お盆と9月の連休を、作図と弱点つぶしにあてる
  • 課題は枚数ではなく、同じ課題を解き方を変えて2〜3回
  • 直前期は時間を計って通しで練習する

製図は、センスのある人だけが受かる試験ではありません。

正しい順番で積み重ねれば、初受験でも十分に戦えるようになります。

▼次の一歩として、エスキスの考え方から読み進めてみてください。

▼道具がまだそろっていない方は、こちらから確認してみてください。

ara

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

製図試験に向けて用紙をセットした製図板と製図道具

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この記事を書いた人

一級建築士/一級施工管理技士。ゼネコン現場監督として8年従事後、激務に限界を感じて転職。一級建築士は学科2度合格・製図5回挑戦の末、受験7年目で合格。「資格を武器に労働環境を変えた」自身の体験から、建築・建設業界で働く方の「資格取得」と「後悔しない転職」を発信中。

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