【一級建築士 製図】記述の書き方は学校で違う|3校で教わった型と私の書き方

夕暮れの窓辺の机に広げた答案用紙。手前の1枚は解答欄の各行が黄・橙・緑の3つに塗り分けられている

「記述の書き方を、学校でしっかり教わった記憶がない。」

「解答例を写しているだけで、自分の言葉で書ける気がしない。」

このような経験、ありませんか?

ara

こんにちは、一級建築士のaraです。

私は製図試験を5回受験し、総合資格・全日本建築士会・TACの3校を渡り歩いて、5回目に合格しました。

3校に通って分かったのは、記述の書き方は、学校によって教わることが違うということです。

私の実体験ベースでまとめたので、記述に自信がないという方こそこの記事を読んで欲しいです。

この記事でわかること
  • 記述の指導は学校で違う。総合資格は3要素、TACは箇条書き、全日本建築士会は特になし
  • 私が使った型は「対象・対応方法・理由」を、箇条書きで書く形
  • 令和7年の本試験の答案を、3要素に分解した実例
  • 文章を箇条書きに直すと、文字数が減っても中身は減らない
  • 型を本番で使う順番(エスキス後・作図前に50〜60分)
目次

記述の書き方は、学校によって教わることが違う

前置きですが記述は「計画の要点等」として、図面とは別の答案用紙Ⅱに書きます。

書き方には型があり、その型を学校で教わります。

ただ、教わる中身は学校ごとに違いました。3校で受けた指導を下記表にまとめています。

学校(通った年)記述について教わったこと
総合資格
(1〜2年目)
解答例に対象/対応方法/理由の3要素をマーカーで色分けする
全日本建築士会
(3年目)
特になし
TAC
(4〜5年目・合格)
すべて箇条書きにする。無駄な接続語は使わない。多く書くより、文字の大きさを一定にして読みやすくする

講師によっても違うのかもしれませんが、同じ試験に向けた指導でも同じではありません。

私が最終的に使った型は、総合資格の3要素をTACの箇条書きで書く形です。

ara

3校を渡り歩いたから組み合わせられた、という面はあります。1校しか通っていない方も、この記事で両方の手法を持ち帰ってください。

▼記述を本試験までにどう準備するかは、別記事にまとめていますので参考にしてください。

総合資格|対象・対応方法・理由の3要素にマーカーを引く

答案用紙の解答例の一文を、対象・対応方法・理由の3つに黄・橙・緑のマーカーで塗り分けている手元

総合資格に通っていたとき、計画の要点の解答例に3つの要素をマーキングするよう指導されました。

対象(〜は)/対応方法(〜に隣接させた・〜に配置した)/理由(〜に配慮して・〜とするため)の3要素です。

やり方|解答例に3色で線を引く

解答例を読むだけでは、型は見えません。3色のマーカーを用意して、1文ずつ線を引きます。

対象(〜は)に1色目 →その文が「何について」書いているか

対応方法(〜に隣接させた・〜に配置した)に2色目 →計画で「何をしたか」

理由(〜に配慮して・〜とするため)に3色目 →「なぜそうしたか」

何本か線を引いていくと、模範解答がどれも同じ3要素でできていることが見えてきます。

ara

3要素を意識していくと、自分でも文章の分解ができるようになり、パズルのように組み立てられるようになってきます。

実例|令和7年の本試験で私が書いた答案を分解する

令和7年(庁舎)の本試験では、「乳幼児連れの来庁者への配慮」について問われました。

↓私が書いた答案を、3要素に分けます。

要素私が書いた内容(要約)
対象乳幼児連れの来庁者は
対応方法1階に計画した住民交流スペースの中に、授乳室を設けた
理由安心して建物内を利用できるように配慮するため

本番で意識して揃えたわけではありません。

型が身についていると、初めて見る設問でも、3要素を埋めるだけでわかりやすい文章になります。

そのため、設問ごとに文章を考える時間が短縮できます。

型があると、暗記した文が使えなくても書ける

解答例を丸暗記していると、設問の角度が変わったときに出す文がなくなります。

3要素で考えていれば、対象は設問に書いてあり、対応方法は自分の図面にあります。足りないのは理由だけなので、そこだけ用意すれば埋まります。

ara

解答例を覚えていただけの時は、設問の角度が変わると手が止まりました。型を意識してからは、覚えた文が出てこなくても3要素から組み立てられます。

【TAC】すべて箇条書きにし、文字の大きさを一定にする

答案用紙の解答欄を、行頭の中黒をそろえた同じ大きさの箇条書きで埋めている手元

TACでは、書き方について3つを指導されました。

①すべて箇条書きにすること →各文の文字数は減りますが、読みやすく分かりやすい文になります

無駄な接続語は使わないこと →それだけで、読みやすさが変わります

多く書くことよりも、文字数を一定の大きさにして読みやすい文字とすること →量で埋めるのではなく、読める形で埋めます

ara

私にとってこの3つの教えはとても有意義で、為になった型です。

実例|文章を箇条書きに直すと、こうなる

令和7年の本試験で、「議場の構造計画と部材の断面寸法」を問われました。

文章の形と箇条書きの例を参考に並べます。

ただし箇条書きといっても、単語を並べるのではありません。1つの内容が区切れたら改行して、次の「・」から完結した文で書く形です。

書き方
文章柱は800×800とし、梁は無柱となる箇所を500×1000のPC梁、床はスラブ厚200、天井は特定天井とし、スパンは7mの均等スパンとすることで、安全性と施工性に配慮した。
箇条書き・柱は800×800とし、梁は無柱となる箇所を500×1000のPC梁とした。
・床はスラブ厚200とし、天井は特定天井とした。
・スパンは7mの均等スパンとすることで、安全性と施工性に配慮した。

各行が言い切りの文で終わっているので、内容は文章の形と同じです。減ったのは、文と文をつなぐ言葉だけで、接続語を省いても中身は減りません。

減るのは、採点する方が読むときの負担です。

ara

採点内容はわからない試験ですが、全て人の目で採点されています。そのためわかりやすく、みやすいことも大事だと学校でも言われていました。

文字の大きさを決めておくと、時間が押しても空欄にならない

解答欄は行数で区切られています。普段から読みやすい大きさで書けるようにしておくと、本番で文量の調整がしやすくなります。

万が一エスキスが長引いてしまったら、いつもより文字を少し大きめにして、箇条書きで行を使います。

文量を減らしても解答欄が空白のままにはならないことが重要です。

本番だけ切り替えるのは難しいので、練習のときに試しておいてください。

ara

もちろん内容がスカスカでは意味がないので、設問に答えられている情報量は必要です。

全日本建築士会では、記述の指導はなかった

3年目に通った全日本建築士会では、記述について教わったことはとくにありませんでした。(あくまで個人的な意見です)

課題と解答例は配られます。ですが、どう書くかの型は自分で持ち込む必要がありました。

記述の型は、通っている学校が教えてくれるとは限りません。指導がない学校に通う方、独学の方は、この記事の2つの手法をそのまま持ち込んでください。

▼総合資格・TAC・日建・独学の比較は、別記事にまとめていますので参考にしてください。

【本番】型はエスキス後・作図前に、50〜60分で使う

試験会場で、下書き線だけの図面を載せた製図板の手前で答案用紙に記述を書く受験生の後ろ姿と置き時計

記述を6.5hのどのタイミングで書くかは、通し演習の段階で決めておくものです。私の順番と理由を、参考として短く書きます。

私の順番|課題文 → エスキス → 記述 → 作図 → 見直し

私はエスキス後、作図前に記述を書いていました。かけていた時間は約50〜60分です。

↓⭕️この順番とするメリットとしては、以下3点があります。

①記述を書く過程で、エスキスで検討できていなかったことに気づけるため、作図の前ならエスキスへ戻れる

②エスキスの時間が押しているときは、記述の文量を文字サイズや箇条書きで調整できる

③所要時間の読める作図を最後に置けるため、図面が未完成で終わるリスクが下がる

③について、作図を最後に置くと間に合わないのではと不安になるかもしれません。

ですが作図は、練習を重ねると1枚にかかる時間が読めてくるものです。記述を書き終えた時点の残り時間から、図面が間に合うかを判断できます。

ただ弱点もあり、作図の途中で計画を変えると、先に書いた記述と図面で食い違いが発生します。

対策として、次の章の見直しが重要となります。

▼エスキスと作図の時間短縮は、別記事にまとめていますので参考にしてください。

答案用紙Ⅱの設問を読むのは、課題文を確認するとき

記述を書き始めるのはエスキスの後ですが、記述の設問に目を通すのは、課題文を確認するときにしてください。

その理由は下記2点のリスクがあるためです。

・課題文の記述の設問が、答案用紙Ⅱの設問と一致しないことがある。→エスキス後に食い違いが発生する

・課題文の設計条件には書かれていないのに、記述の設問にだけ出てくる条件がある。

 →課題文に「A室とB室の動線に配慮」と無いのに、計画の要点にだけ「A室とB室の関係性をどう考えたか」と問われるなど

ara

逆にいえば、試験側が重視している点を教えてくれているヒントともいえます。

図で答える設問が入る年もあります。図が入ると所要時間が変わるので、最初に設問を見て「記述にはどれくらいかかりそうか」を見積もっておいてください。

それでも足りないときは、1行書いて次の設問へ

何度もいいますが空欄だけは残さないこと。分からない設問で止まったら、書ける1行だけでも書いて、次へ進みます。

全部を回ってから、残った時間で戻ります。

ara

私も設問が分からない年もありましたが、書けることを書いて先へ進み、絶対に空欄は作りませんでした。

▼一発アウトのランクⅣについては、別記事にまとめているので参考にしてください。

提出前に、記述と図面が食い違っていないかを見る

答案用紙の1行を左手の指で押さえ、製図板の図面の該当箇所を右手の指でさして確認している手元

図面と記述の整合性は大切」、当たり前だと思われるでしょうが、当日は不整合になってしまうことが往々にしてあります。

ara

私は最終チェックで、記述の内容と図面の内容が違っていることに気づき、図面を書き直したことがあります。

だから、見直しの時間にやることを決めておきます。

記述を1問ずつ読みながら、図面の該当箇所を指で押さえて確かめましょう。

提出前に見る4項目

□ 設問で聞いていることにもれなく答えられているか(2つ聞かれて1つしか答えていないものはないか)
□ 記述に書いた室名・位置・方式が、図面と同じか
□ 作図中に変えた箇所が、記述側に反映されているか
□ 空欄になっている解答欄がないか

特に1つ目の「設問で聞いていることにもれなく答えられているか」は、設問の文が長いほど見落としやすいところです。

▼チェックのポイントについては、別記事にまとめているので参考にしてください。

よくある質問

学校に通っていなくても、記述の型は作れますか?

作れます。手元にある解答例を1つ選び、対象・対応方法・理由の3要素にマーカーを引いて分解してみてください。

何本か分解すると、模範解答が同じ形で組み立てられていることが見えてきます。あとは同じ形に、自分の計画を流し込むだけです。

何文字くらい書けばいいですか?

文字数より読みやすさを優先してください。TACで指導されたのは、多く書くことよりも、文字の大きさを一定にして読みやすい文字にすることでした。

箇条書きにすると1文あたりの文字数は減りますが、伝わり方はよくなります。欄を埋めることが目的ではありません。

記述はいつ書けばいいですか?

通し演習の段階で決めておいてください。私はエスキスの後・作図の前に50〜60分で書いていました。

作図の後に書いて合格している方もいます。一度うまくいった順番を、本番でも同じように使うのが安全です。

まとめ|記述の型は「3要素を、箇条書きで」

記述の書き方は、学校によって教わることが違いました。3校を渡り歩いて私が実践していたのは、次の3つです。

  • 対象・対応方法・理由の3要素:解答例にマーカーを引いて、構成をわかりやすくする
  • すべて箇条書き:無駄な接続語は使わない。文字数が減っても中身は減らない
  • 文字の大きさを一定に:量で埋めるのではなく、読める形で埋める

まずは手元の解答例を1つ選んで、3色で線を引くこと。箇条書きにする方法を試してみてください。

ara

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

夕暮れの窓辺の机に広げた答案用紙。手前の1枚は解答欄の各行が黄・橙・緑の3つに塗り分けられている

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この記事を書いた人

一級建築士/一級施工管理技士。ゼネコン現場監督として8年従事後、激務に限界を感じて転職。一級建築士は学科2度合格・製図5回挑戦の末、受験7年目で合格。「資格を武器に労働環境を変えた」自身の体験から、建築・建設業界で働く方の「資格取得」と「後悔しない転職」を発信中。

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