7年かけて一級建築士に合格した話|苦悩と合格への転換点|遠回りでも無駄ではなかった

私はこれまで、ゼネコンの建築現場や内勤部署で実務を積みながら、一級建築士の資格を取得しました。この資格は決して簡単に取れる資格ではありません。

ですが、私は周囲の人に比べてもかなり時間をかけて取得した方だと自負しています。

自分の人生の中でも、もっとも多くの時間と労力をかけた挑戦だったとも思います。

それでも今は一級建築士は「そこまでしてでも取る価値があった資格」だと、はっきり言えます。

私と同じ経験をしている人は意外といないと思っているので、今まさに受験や将来に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

目次

試験に落ち続ける中での苦悩

何度も諦めようと思った

私は何度も試験に落ちる経験をしたため、正直なところ、勉強のやり方より

自分自身を疑うこともありました。


周りでは、同年代や後輩が次々と合格していき、職場でも「今年どうだった?」と

何気なく聞かれて残念な報告をする。内心ではいつまで受け続けるのか、

焦りと不安がずっとありました。これ以上どう頑張ればいいのかもわからず、 


「自分は一級建築士にずっとなれないんじゃないか」そう思い、諦めたくなることも何度もありました。

特にメンタルを削られたのが、製図試験のエスキス

もっとも精神的にきつかったのが、製図試験のエスキスでした。

時間をかけて条件を整理し、「今回はいけそう」と思える案がようやくまとまる。
そこから作図に入り、必死に描き終えたあとで、致命的なミスに気づく。

修正すれば他が崩れ、修正しなければアウト。
時間はもう残っていない。

どうすることもできず、「また今年もダメかもしれない」そう思って、頭が真っ白になることが何度もありました。

こうした失敗を重ねる中で、なぜ毎回うまくいかないのか、永遠に合格はできないのではと思いました。

製図試験でうまくいかなかった勉強法

当時の勉強を振り返ると、決して効率の良いものではありませんでした。

新しい課題ばかりを解いていた

まず、新しい課題ばかりに次々と手を出し、復習をほとんどしていませんでした

ミスの原因を深掘りせず、「次は気をつけよう」で終わらせてしまい、

同じ失敗を何度も繰り返していたと思います。

エスキスを一気に解かなかった

また、エスキスの途中で時間や集中力がなくなり、

そのまま中断して後日に続きから行うことも多々ありました。

今思えば、本番ではあり得ない状況ですし、エスキスが途切れることから、

エスキス力が、身になりづらくなっていたのではと思います。

構造や設備の理解不足からくる迷い

構造や設備についても、どこかで「なんとなくわかっているつもり」になっていました。

自分の言葉で説明できるレベルまで理解できておらず、

その曖昧さがエスキスの判断や、作図中の迷いにもつながっていました。

合格につながった『考え方の転換』

何度も失敗を重ねる中で、ようやく気づいたのは、

「ひたすらに頑張る」ことではなく、「迷わない状態をつくる」ことの大切さでした。

エスキスは、できるだけシンプルに

まず、エスキスはできるだけシンプルに考えるようにしました。

コア位置や廊下の取り方について、あらかじめ自分なりの型をいくつか用意し、

「この条件ならこの形」とすぐに判断できる状態を目指しました。

毎回ゼロから考えるのではなく、自分にとって解きやすい形に当てはめる感覚です。

エスキスをシンプルにしたことで作図中の迷いが減り、

結果的に作図時間も短縮できるようになりました。

その分、見直しやチェックの時間を確保できるようになり、

致命的なミスに気づける時間的な余裕が生まれました。

スをカテゴリ分けする

また、問題を解いたあとは必ずミスを振り返り、

スをカテゴリ分けするようにしました。

単なる「ミスした」で終わらせるのではなく、それが減点なのか、

失格につながるものなのかを整理し、同じミスを防ぐための具体的な対策まで決める。

これを繰り返すことで、試験での不安は少しずつ減っていきました。

さらに意識するようになったのが、

自分のミスだけでなく、他の受験生の失敗例も「自分ごと」として考えることです。

添削例や再現図面を見たときに、「なぜこのミスが起きたのか」「自分ならどう防ぐか」を

必ず言語化するようにしました。他人のミスを分析することで、

自分一人では気づけなかった落とし穴にも、事前に備えられるようになったと感じています。

ミスの傾向はひとぞれぞれ異なるので、試験終盤の復習でも大きな武器になります。

要点のコツはキーワードをピックアップ

計画の要点についても、暗記に頼るのはやめました。

細かい内容を丸暗記するのではなく、自分なりの使いやすいキーワードをピックアップし、

エスキスの途中でそれらのワードを当てはめながら考える。

そうすることで、考えが止まらず、判断に迷う時間を減らすことができました。

使いやすい言い回しや用語のパーツを用意しておくことで、どんな設問にも立ち回るのが楽になります。

遠回りだったが、無駄ではなかった

一級建築士を取得して、いくつか感じたことがあり、費やした時間は

無駄ではなかったと感じています。

社内での見られ方と自覚の変化

まず感じたのが、社内での見られ方が確実に変わったということでした。

資格を持っているからといって、急に仕事の内容が変わるわけではありません。

それでも、発言に耳を傾けてもらえる場面が増え、

自分の意見に対する重みが少しずつ違ってきたと感じています。

また、一級建築士として名乗るようになってから、

自分の行動や言動には自然と気を配るようになりました。

発言の根拠を意識し、責任を持つ姿勢が、少しずつ身についていったように思います。

自身の自信につながった

何より大きかったのは、困難から逃げずに挑戦し、最後までやり切った

という経験そのものが、自身の自信につながったことです。

合格という結果以上に、「自分は簡単には折れない」という感覚を

得られたことは、その後の仕事や人生の選択においても、大きな支えになると思います。

自身を守る強力な武器となる

今では、一級建築士という資格は単なる肩書きではなく、

自分を守るための強力な武器だと感じています。

将来に対する漠然とした不安も以前より小さくなり、

「最悪の場合でも、資格があるのでなんとかなる」という安心感を持てるようになりました

これから受験される方へ

一級建築士の取得には、想像以上に多くの時間と労力がかかります。

仕事をしながら勉強を続ける中で、「本当にここまでやる意味があるのか」と

感じる瞬間も、きっと何度もあると思います。

それでも、これまでの経験を振り返ってはっきり言えるのは、

一級建築士は、それだけの時間と労力をかけてでも取る価値のある資格だということです。

資格そのものがすべてを解決してくれるわけではありませんが、

挑戦し、勝ち取ったという事実は、確実にその後の選択肢を広げてくれます。

読者の皆さんが試験に合格し、

自分自身の手で未来を切り拓いていくことを、心から願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ゼネコンの現場管理を8年経験後、他社のゼネコン内勤に転職。
保有資格は一級建築士、一級施工管理技士、FP3級

コメント

コメントする

目次