「法規は法令集を持ち込めるから、なんとかなる」
そう思って油断していませんか?
一級建築士の学科試験において、法規は30問・30点という最大配点科目です。合格者の多くが「法規で稼いだ」と語る一方で、経験豊富な施工管理者ほど法規で足をすくわれるという現実があります。
こんにちは、一級建築士のaraです。
この記事では、施工管理経験者が陥りやすい落とし穴にふれながら、最短で法規を攻略するための具体的なロードマップをお伝えします。
一級建築士「法規」の基本データを確認しよう
出題数30問・配点・合格ラインの目安
法規の出題数は30問、1問1点で合計30点満点です。学科試験の総得点は125点満点ですが、法規は足切りライン(過去の例では16点前後)が設定されており、他の科目でどれだけ高得点を取っても、法規で足切りに引っかかれば即不合格になります。
法規と構造は得点源として8割・24点を目標に設定し、この2科目で合格点を稼ぐ戦略が有効です。
| 科目 | 出題数 | 足切りの目安 | 目標点 |
|---|---|---|---|
| 法規 | 30問 | 16点前後 | 24点(8割) |
| 構造 | 30問 | 16点前後 | 24点(8割) |
| 施工 | 25問 | 13点前後 | 18点以上 |
| 計画 | 20問 | 11点前後 | 14点以上 |
| 環境・設備 | 20問 | 11点前後 | 14点以上 |
他科目と比べた難易度の正直な評価
法規の難易度を正直に言うと、「慣れれば得点源、慣れなければ泥沼」です。
試験時間は学科Ⅱ(法規単独)で1時間45分。30問を解くには1問あたり平均3.5分以内です。
条文を引きながらこのスピードで24点を安定して取るには、相当な練習が必要です。
法規が難しい理由——特に施工管理経験者が陥りやすい罠
「持ち込み可」なのに落ちる本当の理由
「法令集持ち込み可=調べればわかる」と思うのは大きな誤解です。
法規の問題は、どの条文のどのページに何が書いてあるかを瞬時に判断できる人向けの試験です。試験会場で初めて引く条文は、時間内に正確に辿り着けません。
法令集は「答えを確認するツール」であり、「答えを探すツール」ではない——この認識の転換が合否を分けます。
現場経験が邪魔をする「主要構造部」問題
施工管理経験者が特に注意すべきなのが、「現場の常識」と「試験の定義」のズレです。典型例が「主要構造部」の定義。現場では柱・梁・壁・床などを主要構造部と呼ぶことが多いですが、建築基準法第2条第5号の定義では、「階段」が主要構造部に含まれ、「基礎」は含まれません。
法令集の準備——合否を分けるインデックスと線引き戦略
試験センター規定のルールと違反NGパターン
法令集への書き込みには、公益財団法人建築技術教育普及センターが定める規定があります。
違反した法令集は試験当日に没収される可能性があるため、必ず最新の規定を確認してください。
頻出条文に絞った「優先線引き・色分け」実践ガイド

市販のアンダーライン集を土台にしつつ、以下の独自ルールを加えることで、本番での引きやすさが格段に上がります。
| 色 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| 🔴 赤ペン・赤線 | 肯定文(〜しなければならない、〜できる) | 「○○の場合は△△とする」 |
| 🔵 青ペン・青線 | 否定文(〜してはならない、〜を除く) | 「〜の規定は適用しない」 |
| 🟠 橙色マーカー | 重要ポイント(数値・頻出条文) | 建蔽率の数値など |
頻出テーマ別 攻略ポイント
建築基準法(単体規定・集団規定)の出題パターン
法規30問のうち、建築基準法とその施行令から約20問が出題されます。
施工管理経験者が得点しやすいのは避難規定・防火規定です。
逆に斜線制限の計算は現場で意識することが少ないため、要注意です。
押さえておきたい関係法令(消防法・都市計画法・建設業法)
| 法令 | 頻出ポイント |
|---|---|
| 消防法 | 消防用設備等の設置義務 |
| 都市計画法 | 開発許可の要否(第29条) |
| 建設業法 | 主任技術者・監理技術者の配置要件 |
| バリアフリー法 | 特別特定建築物の定義と整備基準 |
| 省エネ法 | 適合義務・届出義務の対象規模 |
施工管理者のための現実的な勉強スケジュール
隙間時間を設計して1日3時間を確保する

| 時間帯 | 確保できる時間 | 活用法 |
|---|---|---|
| 通勤(往復) | 約2時間 | スマホアプリで過去問・法令集のインデックスを眺める |
| 昼休み | 約30分 | 過去問を5〜7問解く・間違えた条文を法令集で引く |
| 朝(始業前) | 約30分 | 前日の復習・苦手条文の確認 |
| 合計 | 約3時間/日 | — |
試験3ヶ月前からの追い込みルート
| 時期 | 目標 | やること |
|---|---|---|
| 3ヶ月前 | 法令集の準備完了 | 線引き・インデックス作成を終わらせる |
| 2ヶ月前 | 過去問5年分を1周 | 間違えた問題の条文を必ず引く習慣をつける |
| 1ヶ月前 | 過去問10年分を2周 | 時間を計って本番形式で解く(1時間45分以内) |
| 2週間前 | 弱点の集中補強 | 繰り返し間違える問題の条文に追加マーク |
| 直前1週間 | 仕上げ | 頻出条文の数値を最終確認・法令集の引き方を磨く |
まとめ|法規を制する者が学科を制する
・法規・構造は8割(24点)が目標。この2科目で合格点を稼ぐ戦略を取る
・法令集は「答えを確認するツール」。瞬時に引けなければ意味がない
・施工管理経験者こそ要注意。現場の常識と試験の定義のズレが失点の原因になる
・色分けはアンダーライン集を土台に。肯定文=赤、否定文=青、重要ポイント=橙マーカーで自分だけの法令集を育てる
・1日3時間は隙間時間で確保できる。通勤2時間+昼30分+朝30分で設計する
「法規を制する者が学科を制する」——合格後のキャリアの扉を開くために、今日から法令集を開いてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!




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