建築に携わる人にとって、一級建築士はもっているだけである程度の社会的信用を得られる国家資格です。そのため、建設業界で働いている人、これから業界に入ろうと思っている人は資格取得を志す方も多いと思います。
一級建築士の試験は1次試験に学科、2次試験が製図となっており、両方をクリアしなければ資格を取得できない国家資格の中でも難関な部類となります。
私は以前、一級建築士の取得を志し、結果的に学科試験に2度合格した経験があります。
今回の記事を読んでいただければ、
再現性が高い、学科試験を合格できるロードマップのイメージができると思います。
過去問は20年分を解き、間違えた問題を2週目、3週目で絞っていくこと
私がまた一から勉強を始めるとしたら、過去問をひたすら解いていくアウトプット中心の学習方法とすると思います。その理由について次にご説明します。
理由① 全体像が理解できて、苦手な箇所が明確される
過去問をひたすらに解くのは、最初は苦痛かと思います。ですが、解いていくうちにだんだんと理解ができるようになり、全体的に解き終えた時、理解がしやすい箇所、苦手な箇所が明確化されるので膨大な範囲がある学科試験において、自分がどの程度の位置にいるか、把握することができます。
模試でも合格ラインの予想はできますが、問題の傾向などは模試問題の作成者次第でもあるので、過去問の全体把握の方が自分の合格ラインの指標として良いと私は思います。
理由② インプットよりもアウトプットで力がつく
動画を見ているだけ、本を読んでいるだけで勉強した気になってしまうこと、ありますよね。結局、問題を解く力をつけるためには実際に問題を解くためにたくさんアウトプットをすることが一番の近道だと思います。
理解ができないままでは意味がないので、間違えた問題は必ず根拠を明確にし、理解できない問題はそのままにせずに進めていくことが肝心です。
理由③ 過去問が解ければ、新規問題にも対応できるケースが多い
新規問題は受験者の誰もが苦手であり、正解率が大きく下がる傾向があります。そんな新規問題にたいしても、過去問がしっかりとおさえられていれば意外と対応できるケースが多いです。
具体的な例をあげると、
選択肢1〜4 において、新規の選択肢が1から3までだとしても正当枝が4とわかれば、他の選択肢は無視して正解がわかります。
また、新規問題の建築作品名だとしても過去問にてでている建築の特徴を覚えていれば、その違和感から正当枝であると一目で判断ができます。
ロードマップの全容について

一覧でわかるようにロードマップを簡単に作成しました。各科目の過去問20年分を何周するかという意味合いで記載しています。内容について、以下でご説明します。
法令集の線引きは年内に終わらせる
法令集は試験に唯一持ち込みができる受験者の強力な武器です。その法令集を効率的に使うために、線引きは必須となります。法令集の線引きをしたことがある方ならわかると思いますが、線引きはとても手間がかかります。
線引きをすることで内容を覚えれるならまだ良いですが、正直そんな余裕はありません。一般的な赤、青鉛筆のみでの線引きでも20〜30時間は平気でかかります。
法規の最初のハードルともなります。線引きは時間がかかるので、少しづつ進めていけばいいと思う方、私も初めて受験したとき同じことを思っていました。
正直、出遅れます。法規は全科目の中でも習得するのに一番時間がかかるのでその出遅れは後々かなり影響が大きいです。
ですので、法令集の線引きは気合を入れて、年内には終わらせましょう。遅くとも1月中には、です。

裏技ですが、フリマで線引き済みの法令集も販売しているので、高くはなりますが、時間効率的に購入を検討するのもよいと思います。
1月〜2月は法規と構造(文章題)に徹底的に取り組む。目標は20年分を1周すること。
序盤は、もっとも時間のかかる法規と、特に難易度が高い構造(文章題)に時間をあてるのがおすすめです。
どうしても他の科目と並行していると、勉強の合間が空いてしまい、忘れたり、集中して取り組むことが難しいため、最重要科目であるこの2科目は最初に全体像をつかんでおく必要があるからです。
3月〜は他の3科目も並行して、横断的に勉強する
いよいよ3月からは、計画、環境設備、施工にも着手していきましょう。どの科目も範囲は広いですが、序盤で法規を勉強していたことで、他の科目とのつながりや関係性が徐々にみえてきます。
例えば、計画のバリアフリー法、環境設備の換気量計算、施工の工事届出関係など。単に個別科目として勉強しているよりもずっと効率的に学習ができるようになります。



私は法規がすべての科目とつながっていると思った時、一気に視界がひらけたような実感がありました。
構造(力学)は6月〜勉強する
構造の力学問題は、終盤に取り組んだほうがいいと私は思います。理由としては、公式を覚えなければ解けない問題も多いため、あまり序盤に力学を勉強しても結局忘れてしまうためです。また、範囲もそこまで広いわけではないので十分6月からの学習で間に合うと思います。
力学問題に対して、苦手意識をもつ方もいますが、問題を繰り返し解けばわかるようになってくるので、比較的得点源になる項目です。
覚えづらい用語や公式はノートにまとめることで、試験直前にも焦らない。
毎回忘れてしまう項目、間違えてしまう項目が人それぞれあります。自分なりにわかりやすく、コンパクトにノートにまとめておくことは、頭の中を整理する意味でも大切です。
試験直前において、何を復習しようとならないように、苦手項目を洗いざらい出しておきましょう。



シートでみえなくなるマーカーペンなどで、穴埋め形式にすることで、簡易的な問題集にすることもおすすめです。
試験直前期(1週間以内)は、体調を最優先。苦手な問題、暗記科目を中心とする。
試験直前期には緊張がMAX状態になりつつあります。試験は1年に一度しかチャンスがなく、今までに膨大な勉強時間を費やしてきたのですから当然ですし、自分が頑張ってきた証拠です。
この時期には、新しい問題や模試を解くことよりも、今まで解いてきた苦手な項目・問題や、暗記科目を中心に復習をしてください。
そして何より、体調を崩さないようにしてください。仕事やプライベートなことも含めて、さまざなストレスもかかっていると思います。
決して追い込みすぎず、試験当日は万全な状態で迎えられるようにすることが、試験直前期においてもっとも大切なことです。



私自身、試験前におそらくストレスで入院し、病床で一生懸命勉強した経験があります。
まとめ
最後にまとめです。
学科試験の合格のためにやるべきことは、
- 過去20年分をといて、間違えた問題を2週目、3週目と絞っていくこと
- 最初に法規と構造に徹底的にとりくみ、その後は各科目と横断的に勉強すること
- 苦手な項目や暗記科目はノートに全てまとめること
- 試験直前期(1週間前)は無理せず、試験日に万全な体調を迎えるように調整すること



最後まで、お読みいただきありがとうございました。



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